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1 趣 旨

 この要領は、海上自衛隊における日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における物品又は役務の相互提供(以下「日米物品役務相互提供」という。)の実施に関し、必要な細部の運用要領を定めるものとする。

2 通 則

(1) 補給本部長は、この通達に定めるもののほか、海上自衛隊における日米物品役務相互提供の実施に関する達(平成8年海上自衛隊達第26号。以下「達」という。)第23条及び海上自衛隊物品管理補給規則(昭和56年海上自衛隊達第42号。以下「物品管理補給規則」という。)第22条第3号の規定に基づき、日米物品役務相互提供における物品の処理要領を定め、物品管理補給規則第3条第1号に規定する部隊等の長(以下「部隊等の長」という。)に通知するものとする。

(2) 部隊等の長は、日米物品役務相互提供における物品の処理要領の定めを遵守し、物品管理補給規則第26条の規定に従って隷下部隊を監督指導し、物品管理補給規則第4条の趣旨に沿うよう努めるものとする。

3 適 用

 海上自衛隊における日米物品役務相互提供の実施については、関係法令、訓令及び達並びに日米物品役務相互提供の実施に関する訓令の運用について(通達)(防装管第5370号。8.10.18)によるほか、この要領の定めるところによる。

4 判断基準

 実施権者が、日米物品役務相互提供を実施するための発注証の発出又は受諾を実施する際の判断基準を次のとおりとする。

(1) 当該日米物品役務相互提供が、恒常的なものでないこと。

(2) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号)に基づき実施すべきものでないこと。

(3) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(昭和29年条約第6号)に基づく有償対外軍事援助を通じてから取得すべきものでないこと。

(4) 米軍への要請対象物品又は役務が、自衛隊又は民間から適時・適切に入手不可能なこと。

(5) 自衛隊の提供対象物品又は役務が、米軍が自国の軍隊又は民間から適時・適切に入手不可能なこと。

(6)  米軍から要請を受けた物品又は役務を提供することにより、自己の任務遂行に支障をきたさないこと。ただし、武力攻撃事態又は武力攻撃予測事態における場合は、当該要請を受諾することが適当と認められるとき。(実施権者が海上幕僚長以外の者である場合においては、海上幕僚長から特段の指示があるときはその指示に従う。)

(7) 要請が、予備としての部品の確保でないこと。

(8) 要請が、相互提供を目的とした訓練の実施その他任務遂行に必要なものではないこと。

5 事前協議の手段

 物品の要請又は受諾若しくは役務の要請又は受諾に際して実施する事前協議は、文書によるほか、電話、電報、e-mail又はファックスを用いることができる。

6 事前調整

(1) 実施権者は、物品の提供又は提供を要請する場合は、達第2条第2号に規定する物品管理官(以下「分任物品管理官」という。)と事前に調整するものとする。

(2) 前号により調整を受けた分任物品管理官は、海上自衛隊物品管理補給規則(昭和56年海上自衛隊達第42号)第3条第2号に規定する需給統制機関の長(以下「需給統制機関の長」という。)と調整するものとする。

7 予算上の手続

(1) 実施権者は、償還を実施する場合は、達第2条第3号に規定する支出負担行為担当官(以下「支出負担行為担当官」という。)と経費の調整を実施するものとする。
なお、経費の調整がつかない場合は、償還による決済は実施してはならない。

(2) 支出負担行為担当官は、現金払いが必要と認める場合には、官署支出官をして当該資金前途官吏に資金を交付する。

(3) 海外に派遣される部隊の長は、派遣部隊に所属する各実施権者間の、経費割当てを実施するものとする。

8 受諾証の送付手段

 実施権者は、米軍実施権者に受諾の署名をした受諾証の写しを送付する場合、ファックスを用いることができる。

9 物品の決済等

(1) 物品の決済は、提供した場合又は提供を受けた場合ともに、当該物品の返還又はこれによりがたい場合は、当該物品と同種、同等及び同量の物品の返還によることを原則とし、償還は、やむを得ない場合のほか、実施しないものとする。

(2) 物品の決済のため、受領証明済米軍受諾証の謄本の送付を受けた分任物品管理官は、返還を実施できない場合、受領証明済米軍受諾証の写し1部の余白に返還できない旨を記入し、物品の提供を受けた実施権者に送付するものとする。

(3) 前号により受領証明済米軍受諾証の写しの送付を受けた場合、実施権者は、海上幕僚長に事務の引継ぎを実施するものとする。

(4) 前号により事務の引き継ぎを受けた場合、海上幕僚監部装備部長(以下、「海幕装備部長」という。)は、「日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国との間の協定に基づく日本国防衛庁とアメリカ合衆国国防省との間の手続取極」(以下、「手続取極」という。)に記載された当該軍の連絡先と返還について協議し、その結果を需給統制機関の長に通知するものとする。

(5) 前号の通知を受けた需給統制機関の長は、分任物品管理官に必要な指示を行うものとする。

10 返還物品の受入等

(1) 物品の決済のため、受領証明済受諾証の謄本の送付を受けた分任物品管理官は、返還を受けられない場合、受領証明済受諾証の写し1部の余白に返還を受けられない旨を記入し、物品の提供を受諾した実施権者に送付するものとする。

(2) 前号により受領証明済受諾証の写しの送付を受けた場合、実施権者は、海上幕僚長に事務の引継ぎを実施する。

(3) 前号により事務の引き継ぎを受けた場合、海幕装備部長は、手続取極に記載された当該軍の連絡先と返還について協議し、その結果を需給統制機関の長に通知するものとする。

(4) 前号の通知を受けた需給統制機関の長は、分任物品管理官に必要な指示を行うものとする。

11 物品提供の整理区分

 分任物品管理官は、日米物品役務相互提供による物品提供を次により整理するものとする。

(1) 海上自衛隊から米軍への提供

ア 物品の貸付:貸付

イ 物品の返還:返還

ウ 現金による償還:亡失(備考欄に「返還できないため」と記載する。)

(2) 米軍から海上自衛隊への提供

ア 物品の借受:借受

イ 物品の返還:返還

ウ 現金による償還:返還、購入(備考欄に「返還できないため」と記載する。)

12 物品の相互提供手続

付紙第1のとおり。

13 役務の決済

(1) 役務の決済は、償還をやむを得ないと認める場合のほか、役務決済とする。

(2) 訓練統制官たる実施権者は、共同訓練開始以前に役務決済を実施することが判明している場合には、同一役務ごとに一括して発注証の発出又は受諾をするものとする。

14 修理・整備役務

 実施権者は、修理・整備役務の相互提供に伴う安全性の確認は、要請側が実施することで、米軍実施権者と協議するものとする。

15 役務における物品の発注証の提出

 実施権者は、修理・整備役務実施中に物品の提供又は受領が必要になった場合、新たに当該物品に係る物品の要請のための発注証の提出をすることで、米軍実施権者と協議するものとする。

16 役務の相互提供の手続

 付紙第2のとおり。

17 納入告知書の送付期限

 歳入徴収官は、米軍の指定先に納入告知書を送付する場合、物品又は役務の提供後60日以内に実施するものとする。

18 輸入協議に関する手続

(1) 海上幕僚長は、日米物品役務相互提供の実施に関する訓令(平成8年防衛庁訓令第51号。以下「訓令」という。)第48条第3項の規定により輸入協議に係る同意文書の送付を受けた場合、次に掲げる部隊の長に送付するものとする。

ア 各地方総監

イ 第1、第2、第4、第5及び第31航空群司令

ウ 沖縄基地隊司令

(2) 前号の同意文書の送付を受けた部隊の長は、実施権者が当該部隊に所属する空港又は港湾において、輸入のための通関手続を実施する場合、当該空港又は港湾を管轄する税関に対し、前号により送付された輸入協議に係る同意文書を提示するものとする。

19 実施取決めが締結されていない場合の手続

(1) 実施取決めが締結されていない場合に、日米物品役務相互提供を実施するための手続きは、次に掲げるところによる。

ア 実施取決めに準じた手続きを実施するものとする。

イ 付紙様式第1に定める相互後方支援書の使用に努めるものとする。

(2) 海上幕僚長を除く実施権者は、遅滞なく次に掲げる事項を海上幕僚長に報告するものとする。

ア 実施日時

イ 実施場所

ウ 米軍実施権者

エ 相互提供の内容

オ 決済方法

カ 返還計画

キ 不具合事項

20 発注証等の正本が入手できない場合の処置

 実施権者は、発注証等の正本が入手できない場合で、当該発注証の正本に記載すべき内容を記載した文書により必要な処置を行う場合は、当該文書の余白に手続取極番号を記入する。

21 事務の引継ぎ

(1) 実施権者は、他の実施権者に事務を引き継ぐ場合には、事前に引継ぎに関する調整を実施するものとする。

(2) 前号による調整が終了し、実施権者が他の実施権者に事務を引継ぐ場合には、当該発注証等の謄本を作成し、正本を引継先実施権者に送付するとともに、発注証等整理簿(達第22条に規定する実績報告様式を準用)備考欄に送付先及び引継年月目を記録する。

(3) 引継ぎを受けた実施権者は、発注証等整理簿に当該発注証等の記載事項を記録し、備考欄に送付元及び引継年月目を記録する。

(4) 海上部隊の実施権者は、共同訓練等終了後速やかに海上幕僚長に事務を引継ぐものとする。

22 相互後方支援書

 日米物品役務相互提供の発注等を実施するために使用する様式を、付紙様式第1(MLS FORM)のとおりとする。

23 手続取極番号

 相互後方支援書及び関連する書類に記載される手続取極番号を、「US−JA−01」とする。

24 発注受領様式の特例

 訓令第51条の規定による措置を実施する場合は、洋上等において米軍実施権者に要請又は受諾のための発注証等が送付できないときは、発注受領様式の各欄に記入すべき必要な事項を当該各欄の番号とともに記入することにより、電報により実施することができる。

25 謄本の作成要領

 謄本は、正本を複写し、その余白欄に「正本と相違ないことを証明する。」と記載し、作成者の官職及び氏名を記入の上、官職印を押印して作成する。
  なお、余白欄に余裕がない場合は、裏面を活用する。

26 簿冊等

 実施権者は、発注証つづり、受諾証つづり及び発注証等整理簿を年度ごと作成し、5年間保存するものとする。

27 送り状の特例等

 次の場合においては、それぞれに掲げるものを送り状とみなし、訓令第8条第1項、第17条第1項、第27条第1項及び第2項並びに第35条第1項の手続きは実施しないものとする。

(1) 決済区分が償還の場合

ア 受領証明済受諾証又は受領証明済役務受諾証が添付された納入告知書

イ 受領証明済米軍受諾証又は受領証明済米軍役務受諾証が添付された米軍請求書

(2) 決済区分が償還以外の場合には、受領証明済受諾証等とする。

28 輸出に関する報告

(1) 海上幕僚長を除く実施権者は、訓令第47条第3項の許可等を受けた物品を輸出したときには、速やかに輸出実績を付紙様式第3の様式により海上幕僚長に報告するものとする。

(2) 海上幕僚長を除く実施権者は、訓令第47条第3項の許可等を受けた役務を取引したときには、速やかに役務取引実績を付紙様式第3の様式により海上幕僚長に報告するものとする。

29 輸入に関する報告

 海上幕僚長を除く実施権者は、訓令第48条第1項に規定する輸入協議を必要とする物品を輸入したときには、速やかに輸入実績を付紙様式第4の様式により海上幕僚長に報告するものとする。

30 実績報告

 実施権者は、上級司令部及び補給本部長に写しを送付するものとする。ただし、補給本部長には、物品の相互提供に関する実績報告のみとする。

付紙第1

1 物品提供の要請手続
(1) 物品提供の要請要領

(2) 物品提供の要請要領

(3) 物品の通貨償還要領(自衛隊による償還)

2 物品提供の受諾手続
(1) 物品提供の受諾要領

 

(2) 返還物品の受領要領

 

(3) 償還による場合の要請要領

付紙第2

1 役務の要請手続
(1) 役務決済による場合の要請要領

(2) 役務決済要領

(3) 償還による場合の要請要領

(4) 償還による決済要領(自衛隊が償還)
   ア 官署支出官による支払の場合

  イ 資金前渡官吏による支払の場合

2 役務の受諾手続
(1) 役務決済による場合の受諾要領

(2) 役務決済要領

(3) 償還による場合の受諾要領

(4) 償還による決済要領(米軍が償還)

付紙様式第1

属 紙

相互後方支援書記入要領

1 要求番号

 要求一連番号を記入する。

 JM−英字の部隊等の記号(艦艇は艦番号)−一連番号(3数字)

 記入例:JM−2AW−001、JM−142−002

2 要求年月日

 様式が記入され送付された実際の日付

3 発簡者

 要請者名、所属及び電話番号を記入

4 あて先

 提供者名、所属及び住所を記入

5 手続取極番号

 「US−JN−01」を記入

6 資金参照

 米軍会計口座番号(現金償還の場合、米軍が記入)

7 希望納期

 要請者が希望する物品又は役務の受領日

8 製品番号

 要請された製品の物品番号又は部品番号(適用される場合)

9 要請された支援の説明

 詳細な説明を付加することができる。

10 数量単価

 引き渡される物品又は役務の数量及び単価

11 要求数量

 要求された物品の合計数量又は役務の総量

12 支援数量

 提供した物品の合計数量又は役務の総量

13 単 価

 請求国通貨で示された各物品又は役務の価格

14 合計金額

 請求国通貨で示された提供された物品又は役務の合計価格

15 備考

 要請側が物品又は役務に関する情報を記入(関税、梱包費、輸送費等の追加費用を含む。)

16 要請された支援の受領地

 請求国通貨で示された提供された物品又は役務の合計価格

17 決済方法

 RIK又は現金償還のいずれかに印をする。

18 請求総額

 受領した物品の総量及び物品又は役務の総価格(14欄の合計)

19 債務限度額

 物品又は役務の発注に際し、価格が不明の場合に受領当事者が支払う最高価格

20 送金先

 提供当事者の会計機関名等(償還の必要がない場合、N/Aを記入)

21 追加事項及び処理コード

 提供当事者が記入する追加記事及び処理コード

22 送金先

 送金が行われた場合、提供当事者名及び住所(償還の必要がない場合、N/Aを記入)

23 返還計画及び置換物品の配送地

 物品又は役務を返還又は置換する予定日及び場所を記入

24 要請側実施権者

 要請側実施権者の氏名、階級及び所属を英字活字体で記入し、署名又は職印を押印する。

25 提供側実施権者

 提供側実施権者の氏名、階級及び所属を英字活字体で記入し、署名又は職印を押印する。

26 払出又は支援実施職員

 物品又は役務を実際に提供する各自衛隊/米各軍種等の所属職員が、氏名、階級及び所属を英字活字体で記入し、署名又は記名の上押印する。

27 受領職員

 物品又は役務を実際に受領する各自衛隊/米各軍種等の職員が、氏名、階級及び所属を英字活字体で記入し、署名又は記名の上押印する。

28 支払い受領職員の署名欄

 物品又は役務の支払いを受ける者の署名又は押印

注:相互後方支援書の記入手続きは次のとおり。

1 欄1〜11、15〜17、19、21、23及び24

事前調整により、要求物品又は役務が提供可能との確認を提供当事者から受けた後、要請当事者が記入

2 欄12〜15、17、18、20〜23、25及び26

提供当事者が点検又は記入

3 欄12、14、15、18及び27

物品又は役務受領時に点検、記入

4 欄28

物品又は役務の返還時に記入